早くも師走となりました。先月、京都で大切に守られてきたモダン建築を一斉公開するイベント “京都モダン建築祭” に行って参りました。築50年以上たった歴史的建造物のうち、一定の評価を得たものが“登録有形文化財建造物”となりますが、既に10,000件を超える建造物が登録されているようです。そして、それらを活用することが進められています。令和5年3月に文化庁が京都に移転しましたが、その目と鼻の先にあるのが「京都府庁」で明治37年(1904年)竣工の旧本館は創建当時の姿をとどめる現役の官公庁建物としては日本最古のものだそうです。庭園の設計は7代目小川治兵衛、家具は杉田幸五郎といった匠が関わっています。匠と言えば、1890竣工のウェスティン都ホテル京都は村野藤吾の設計です。同氏は階段の裏側の美しさにもかなり気を配っていたそうです。普通は気付かれない部分にまで思いを込めて作られた建物だからこそ今の時代に魅力を放っているのだと思いました。
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